ミャンマー基本情報

[概略]数年前までの政治体制は軍事主導で経済も鎖国政策を取っていたためビジネスだけでなく通常の旅行者としても訪れるのが難しかった謎の国。しかし2010年の総選挙を皮切りに民主化へ大きく路線を変更。旅行者も訪問しやすくなり、経済も解放政策が取られたことでヤンゴンでは外資系チェーンなどが増えてきつつある。ただ観光客を受け入れる体制は整っていないので地方へ行く場合は食事や宿泊、移動などはある程度覚悟しておいた方が良い。

[ビザ]要事前取得。28日間滞在可

[レート(2014/12)]100円/1029チャット
通貨はkyat(チャット)。硬貨はなく紙幣のみ。紙幣はボロボロでメモ書きがあるものも。両替はUSドル、シンガポールドル、ユーロの新札のみしか受け取ってくれない。紙幣の種類も高額なものの方がレートがいいので100ドルや50ドル札を多めに持っていた方が良い。ホテルや入域料、ツアーなどはUSドルでの支払いが多い。

[時差]マイナス2時間半

[物価]全体的に東南アジア諸国の中でも断突に高い。特に宿泊費はクオリティは安宿並なのに二人で最安でも$20〜25ぐらいする。食費は二人で一回の食費が平均$6。レンタルバイクは$7ぐらい。

[服装]肌の露出ははしたないと考えられているので、短パンやキャミソールなどあまり露出が多い服装は避けるべき。直射日光もきついので、長袖や何か上に羽織るなどした方が良い。

[寺院とパゴダ]
ミャンマーのお寺やパゴダは土足厳禁。靴下も脱いではだしで入らないといけないので、サンダルの方が便利。洞窟内のお寺などもはだしなので足がコウモリの糞と泥まみれになることも多々ある。朝と夕方になるとコーランのようなお経がスピーカーから流れてくる。多くのミャンマー人が敬虔な仏教徒。寄付などで成り立っているのだと思うが、寺院やパゴダにかけるお金はすごい。遺跡としての寺院以外はほぼ金ピカで、金箔を貼り過ぎて原型が分からなくなった仏像などもある。敬虔な仏教徒ではない私からするとこれだけ寺院やパゴダにお金をかけるのならもう少しインフラなどに使えばいいのにとつい思ってしまうが、それだけ信仰の厚い国ということなのだろう。ちなみにほとんどの寺院やパゴダでは入場料がないが、代わりに寄付を求められる。

[外国人料金]
ミャンマーの外国人料金には驚かされる。タイなども観光地の入場料は外国人価格が存在するが、ミャンマーの場合はレストランやホテル、商店も含め、外国人料金がある。レストランでもメニューに値段が書かれていないことが多く、書かれていたとしてもミャンマー語の数字で外国人にはわからないように(?)している。商店で買い物をしてもミャンマー人より高い値段を言われたりすることはざら。
本当かどうかはわからないが、現地人の話ではミャンマーでの外国人料金は約9倍とのこと。そしてこの外国人料金は日本と同じぐらいの物価なのでバックパッカーが長期滞在するには少々厳しい。正直現地の人の生活レベルと私たちが支払う旅費のギャップがなかなか腑に落ちなかった。ちなみにミャンマー人の平均月収は5000円ぐらいらしい。

[インフラ]
インフラの整備はかなり遅れていると言える。道路も大都市以外は未舗装のままが多い。生活に必要なものとしては特に田舎ではガスは通っておらず、蒔で調理する家庭がほとんど。食事時になると各家庭から上がる煙で町全体が霧に覆われたようになる。水道もあるが井戸の利用率も高い。電気も停電になったり、夜のみと限られていることもある。wifiはGHなどではあるがスピードが遅くてあまり使えない。ちなみに首都のネーピードーは軍事施設などもあるため、かなりインフラが整っていてネットも支障なく使えるそう。携帯は最近になって庶民でも持てるようになったらしく、多くの人がスマホや携帯を持っていた。小さい町でも必ず携帯ショップがあり、店からはよく大音量の音楽が流れていた。生活のレベルと持っている物とのギャップがアンバランスで不思議な感じ。

井戸水で水浴びする男性陣
井戸水で水浴びする男性陣

[ホテル]
ミャンマーのホテルは外国人を泊めるのにライセンスがいるので、ホテルがたくさんあるように見えても実際泊まれるホテルは限られている。またハイシーズンは宿が不足しがち。インフラが整っていないため、ネットに上がっているホテルは中級クラス以上のものが多く、安宿は現地に行って探すしかない。ただいきなり現地に行くとホテル難民になる可能性もあるので、必ず新しい街に行く前に電話予約すべき。一番避けたいのは予約なしでの夕方到着。部屋が空いていたとしても足元を見られて上乗せした料金を提示してくることも。
外国人観光客の増加によりどこの宿も強気でかなりのハイペースで値上げをしている。最新版のガイドブックを持っていたが、そこに掲載されている料金よりも高くなっているGHはざらだった。料金の相場は二人で$20前後(2014年12月)ちなみにミャンマー人向けのホテルだとシングル$4、ダブル$8ぐらい。ドミトリーがあまりないため、一人旅のバックパッカーなどはダブルルームを他のバックパッカーとシェアして安くあげている人もいた。また安宿のクオリティのまま値上げしているので、設備なども古く「あの値段でこの部屋⁈」と感じるGHが多い。そしてヤンゴンなどの大都市以外の安宿の場合、ホットシャワーはほぼ期待できない。ミャンマーには一ヶ月近く滞在したが、毎日水シャワーだった。難点が多いGHだがありがたいのはほとんどのホテルで朝食が付くということ。食費もそこそこするので一食分浮くのはありがたかった。

[国内移動手段]
バスが主流。鉄道もあるがかなり古いものらしく、縦揺れがすごいらしい。鉄道には一度も乗る機会がなかったが、ヤンゴン市内にも一応環状線がある。ただ一周するのに3時間かかるそう。タイの鉄道も楽しかったのでぜひ乗ってみたかった。

マンダレー郊外を走る電車
マンダレー郊外を走る電車

ミャンマーでは市バスや観光バス、送迎バスなど日本の古いバスが活躍している。種類は色々あるが、正直あまり快適ではない。特にローカルバスとなると通路にまでプラスチックの椅子を置いてぎゅうぎゅう詰めにしてから出発する。出発とともに黒いビニール袋が配られたので気分が悪くなったとき用かと思っていたらなんと噛み終わったビートルナッツを吐き出すための袋。バスの中でもお構いなしに噛み終わったビートルナッツのカスをビニール袋に吐き出し、窓からポイ捨て。ゴミに対する意識もまったく違うと感じた。

[外資系チェーン]
ヤンゴンに限り外資系の飲食チェーンも進出してきているが、マクドナルドやスターバックスなどの大御所はまだのよう。いくつか外資系らしいお店は見たが、チェーンで出店しているのは韓国のロッテリアやタイのコーヒーチェーンなど近隣のアジア諸国のチェーン数店のみらしい。もちろんコンビニも皆無だが、ヤンゴンではミャンマー独自(?)のコンビニがどんどんできている。

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